日向 史有

PROFILE

日向 史有(ひゅうが ふみあり)

日向 史有(ひゅうが ふみあり) /ディレクター

出身地
東京都
入社
9年目
主な番組
  • NHK BS1「ドキュメンタリーWAVE」
  • BS日テレ「森人」
  • BS-TBS「地球絶景紀行」
  • TBS「情熱大陸」
最近見た映画
  • 『BiSキャノンボール2014』
  • 『サンドラの週末』
  • 『ある優しき殺人者の記録』

「ドキュメンタリーは、“いただきもの"である」

先輩達から言われ続けてきた言葉を
ディレクターになって7年間、ずっと考えています。

フィクションとは違い、役者が演じるのではなく
ドキュメンタリーは、実際に社会で生きる生活者を撮影し、番組を制作します。
自宅や働く場などなど…その対象者の方の生活の場にお邪魔し
その人の“核"になるような話しを聞かせてもらう。
また、何時間も時には何日、何年も撮影させてもらう事もあります。

冒頭の言葉の意味の1つめは、そんな風に取材させてもらう
「対象者に謙虚であれ」という事。
その人の時間や思いを“いただいている"意識を忘れるなという戒めです。
それは基本の「キ」で、取材者として当たり前のスタンスだと思っていますが
「テレビに出してやる」という傲慢さを持つ取材者もいるのかもしれません。

そして、冒頭の言葉の2つめの意味を最近少しずつ実感しています。
それは「目の前で起きている現実を大切にしろ」ということ。

取材にはもちろん、番組のテーマや構成を事前に思い描いて臨みます。
でも、そんな自分の小さな頭で考えた想定通りに進む取材現場は、ほとんどありません。
撮影できると思っていたものが撮影出来なかったり
想定が全く現実に沿っていなかったり…と、毎回毎回が恐怖の連続。

でも逆に、想像を越えた瞬間に出会えたりすることも多々あります。
そんな 現実からの“いただきもの"を大切にしろということが2つ目の意味だと思っています。
小さな想定に当てはめることばかりを考えると
全くちぐはぐな番組が出来上がるということです。

対象者や現実からの“いただきもの"は、
ドキュメンタリーを作る醍醐味の1つです。
この先、何度そんな“いただきもの"に出会えるのか、楽しみでなりません。